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アイ・ラブ・坊っちゃん

イントロダクション

「てやんでぇ べらぼうめ!!!」
-1992年の初演時から「日本のオリジナルミュージカルの到達点」と絶賛された、音楽座ミュージカルの記念碑的作品。単に小説「坊っちゃん」をミュージカル化したものではなく、小説の執筆を通して、夏目漱石が自分自身と向き合いながら自己を回復していく過程と、その苦悩をしっかりと受け止めながら生きる妻・夏目鏡子の愛を描いた、全くのオリジナルストーリーである。
漱石の英国留学中に亡くなった親友・正岡子規が、小説に登場する「山嵐」と重ねられていたり、早世した嫂が現れたりと、史実とフィクションを織り交ぜ、漱石の日常と小説世界がシンクロする巧みな脚本・演出が、高い評価を得た。 和洋のテイストを融合させた音楽、着物に下駄履き姿のダンスシーン、実際に千駄木にあった漱石の借家をモデルにした舞台美術など、ミュージカルの全ての要素がパーフェクトにブレンドした、傑作と評されている。

ストーリー

明治三十九年初春。本郷千駄木にある自宅の縁側で、夏目漱石は物思いにふけっていた。
前年、雑誌「ホトトギス」に『吾輩は猫である』を発表して好評を博した漱石は、小説家一本で生きることを願っていたが、生活のことを考えるとなかなか踏ん切りがつかない。苛立ちを妻の鏡子に向ける漱石に、女中までが神経病扱い。
そこへ亡き正岡子規に代わって「ホトトギス」を編集する高浜虚子が訪ねてくる。
「実は今度、新しい小説を書こうと思っているんだ」。 漱石は虚子に小説『坊っちゃん』の構想を打ち明けた。 兄と喧嘩した坊っちゃんは、父から危うく勘当されそうなところを、十年来奉公している女中・清のとりなしで、事なきを得る。坊っちゃん贔屓の清にかかると、無鉄砲に生きる自然児の坊っちゃんも、気性が真直ぐになり、末は立身出世と良いことづくし。しかし、学校を卒業した坊っちゃんは、清と別れて四国の松山へ。中学の教師の職を得て、旅立つことになる。
漱石は、思い出が生きる地・松山を舞台に、自分自身が思い描く理想の姿を坊っちゃんに、そしてその友となる山嵐に病死した親友・正岡子規の姿を重ね合わせ、二人の痛快な冒険を書き進めていく。


受賞暦

1994.1
「アイ・ラブ・坊っちゃん」および三作品連続公演「シャボン玉とんだ宇宙までとんだ」「とってもゴースト」「マドモアゼル・モーツァルト」の舞台成果により、第28回紀伊國屋演劇賞・団体賞
1994.2
第一回読売演劇大賞優秀作品賞
主演/土居裕子、第一回読売演劇大賞優秀女優賞
1996.2
主演/土居裕子、第三回読売演劇大賞優秀女優賞